MOSHIMO ZUKAN // FILE 06

🏋️ もしも重力が2倍だったら

体重も2倍、山は半分、宇宙はずっと遠くなる。ずんぐりした世界へようこそ。

テラちゃん今日も平常運転だよ〜
体重(60kg基準)
60.0kg
山の高さの上限目安
約8,850m
人口予測
約80億
重力(地球=1G)
1.00 G
0.1G1G(いま)3.0G
🔎 今の重力が、大気をつなぎとめ、生き物や山の大きさを決めているよ

2Gにすると、何が起きる?

① 全人類、常時リュック60kg

体重60kgの人は、感覚的には120kgを支えて生きることになります。立つ・歩く・階段を上る、すべてが筋トレ。心臓は血液を「2倍重い体」の上まで押し上げねばならず、骨も血管も設計変更が必要です。進化の時間があれば、生き物は低く、脚が太く、ずんぐりした姿に寄っていくと考えられます。キリンのような「高さで勝負」する動物は、かなり苦しい戦略になります。

② 山も木も、低くなる

山の高さには限界があります。高くなりすぎると、自分の重さで根元の岩が耐えられなくなるからです。この限界はざっくり重力に反比例します。上の「山の高さの上限目安」を見てください──重力を火星並みの0.38Gにすると2万mを超えるはず。実際、重力が地球の約1/3の火星には、高さ約22km(エベレストの約2.5倍)のオリンポス山がそびえています。火星に巨大な山ができたのは、重力が小さいことに加えてプレート運動がなく同じ場所で噴火が続いたため、と考えられています。

③ 宇宙が、とても遠くなる

地球から宇宙へ出るには秒速11.2kmが必要ですが、同じ大きさのまま重力2倍の地球では約1.4倍の秒速16km級が必要になります。ロケットの燃料は雪だるま式に増えるので、人工衛星もGPSも気象観測も月面着陸も、実現は桁違いに難しくなったはず。テラちゃんのモデルになった観測衛星たちも、空に上がれなかったかもしれません。

④ いいこともある:大気の毛布をがっちり保持

重力は大気を地球につなぎとめる力でもあります。強い重力は大気を逃がさないので、温室効果の毛布は安泰。逆にスライダーを0.3G以下にしてみてください──長い年月で大気が宇宙へ逃げ、火星のように寒く薄い空気の惑星に近づいていくのが、人口予測の数字にも表れます。

💡 豆知識:「山の高さ上限」は太陽系で実証済み
上の目安の式(エベレスト8,850m×1G÷重力)に火星の0.38Gを入れると約2万3,000m──実際のオリンポス山(約22km)とほぼ一致します。ざっくりした概算式でも、太陽系のスケール感はけっこう説明できてしまうのです。ただし山の高さは岩の強度や火山活動にもよるので、あくまで「目安」。この几帳面さも観測係の約束です。
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