MOSHIMO ZUKAN // FILE 05

🌫️ もしも大気が金星並みに濃かったら

温室効果が暴走した「地球の姉妹星」の実例つき。毛布は厚すぎても危ない。

テラちゃん今日も平常運転だよ〜
平均気温
約15℃
温室効果の上乗せ
+33℃
気圧のたとえ
地上と同じ
大気の濃さ(地球=1倍)
1.00 倍
0.001倍(ほぼ真空)100倍(金星超え)
🔎 今の大気が、程よい温室効果でちょうどいい気温を保っているよ

大気92倍の世界=金星に、実例がある

① 気温は460℃、温室効果の暴走

地球のすぐ内側を回る金星は、大きさも質量も地球そっくりの「姉妹星」。ところが大気の約96%が二酸化炭素で、猛烈な温室効果により地表は約460℃に保たれています。鉛(融点327℃)が溶ける温度です。このサイトのモデルで大気を90倍にすると約480℃──ざっくりした概算式でも、実際の金星(約460℃)にかなり近い数字が出るのを確かめてみてください(太陽との距離や重力まで含めて再現する統合シミュレーターの金星プリセットでは、さらに実測に近づきます)。

② 気圧92倍=水深920mの世界

金星の地表気圧は約92気圧。これは地球の海の水深920mに相当する圧力です。金星に降りた探査機の多くは、地表に着く前に押し潰されるか、着いても1時間ほどしか通信できませんでした。深海探査艇なみの装甲がないと立っていられない世界です。

③ でも上空50kmは、意外と地球

おもしろいのはここから。金星も高度50〜55kmあたりまで上がると、気圧も気温も地球の地上に近くなります。太陽系で「もっとも地球に似た環境」は、実は金星の雲の上なのです。ここに浮遊都市を浮かべて住もうという構想が、大まじめに提案されています。

④ 逆に薄くすると、火星になる

スライダーを左に振ってみてください。大気が薄いと温室効果の毛布がなくなり、気温はどんどん下がります。大気が地球の1%未満しかない火星の平均気温は約−63℃。「もしも太陽との距離が1.5倍だったら」で見たとおり、惑星の運命は「太陽からの距離×大気の厚さ」のかけ算で決まるのです。

💡 豆知識:金星の空は、自転の60倍の速さで回っている
金星の自転は1周に約243日と超スローなのに、上空の大気は約4日で金星を一周しています。自転の60倍の速さで大気だけが回る「スーパーローテーション」という現象で、なぜこんなことが起きるのか、完全には解明されていません。地球のすぐ隣に、まだこんな大きな謎が残っているのです。
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📚 出典・参考(ファクトチェック済み)
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