MOSHIMO ZUKAN // FILE 04

🌙 もしも月がなかったら

潮が止まり、地軸がぐらつき、夜がまっくらになる。相棒のいない地球の話。

テラちゃん今日も平常運転だよ〜
潮の満ち引き(いま=100%)
100%
満月の明るさ(概算)
100%
地軸の安定度
安定
月の大きさ(いまの月=1倍)
1.00 倍
0倍(月なし)1倍(いま)1.5倍
🔎 月は潮をつくり、地軸を支える、地球の「安定装置」だよ

月を消すと、何が起きる?

① 潮の満ち引きが約1/3になる

潮を起こしているのは月だけではありません。太陽の潮汐力も月の約半分あります。だから月が消えても潮は完全には止まらず、いまの1/3程度の穏やかな満ち引きが残ります。それでも干潟は狭くなり、潮の満ち引きに合わせて暮らす貝・カニ・渡り鳥、そして潮を読む漁業は、大きな作戦変更を迫られます。

② 地軸がぐらぐらになる(長い目で見ると)

地球の傾き23.4°が何十億年も安定しているのは、大きな月が重力でジャイロのように支えてくれているから。大きな月を持たない火星の自転軸は、シミュレーション研究によれば長い年月で数十度の幅で大きく変動してきたと考えられています。地軸が暴れれば気候も暴れる──「もしも地軸が傾いてなかったら」で見た「傾きすぎの怖さ」が、数千万年ごとにランダムで襲ってくる世界です。

③ 1日はもっと短かったはず

月の潮汐は地球の自転のブレーキでもあります(いまも1日は100年に約2ミリ秒ずつ伸びています)。もし最初から月がなければ、このブレーキの大部分が働かず、太古の速い自転がかなり保たれたまま──1日はいまよりずっと短かったと考えられます。太陽の潮汐も月の半分ほどあるので、まったく減速しないわけではありませんが。

④ 夜がまっくらになる

満月の夜の明るさは、夜行性の動物の狩り、海鳥の移動、サンゴの一斉産卵のタイミングまで支えています。月のない夜空は星明かりだけ。人類の歴史も変わったはずです──暦はつくれたでしょうか?「1か月」という単位は、そもそも存在しません。

💡 豆知識:生まれたての月は、めちゃくちゃ近かった
約45億年前の巨大衝突で生まれた直後の月は、地球からわずか2万km余りの距離にあったと考えられています(いまは約38万km)。空を見上げれば、いまの十数倍の大きさの月がドーンと浮かんでいたはず。そこから潮汐のやりとりで少しずつ遠ざかり続けて、いまも年に約3.8cmずつ離れています。月と地球は、45億年かけてゆっくり「別居」している最中なのです。
🔎 むずかしい言葉は「用語じてん」でチェック
📚 出典・参考(ファクトチェック済み)
🎛️ 統合シミュレーターで全部いじる🌫️ 次の記事:もしも大気が金星並みに濃かったら☀️ 前の記事:もしも太陽との距離が1.5倍だったら