MOSHIMO ZUKAN // FILE 23

🪟 もしも空が青くなかったら

空の青は、空気が光を「散らす」から生まれる色。空気の量を変えると、昼の空も、夕焼けも、まるごと塗り替わる。

テラちゃん今日も平常運転だよ〜
昼の空の色
夕焼けの色
赤〜オレンジ
昼でも星が…
見えない
🪟いまの設定の空(左=昼 → 右=夕方)
空気の量(いまの地球=1.0)
1.00 倍
👇スライダーをうごかして、じっけんしてみよう
0倍(空気なし)1倍(いま)3倍(濃い)
🔎 空気の分子は、波長の短い青い光をよく散らす(レイリー散乱)。散らばった青が四方から目に届くから、空は青いんだ
🎬 テラちゃんげきじょう「空が青くなかったら」
ソラ
ソラ空ってなんで青いの? もともと青くぬってあるの?
テラちゃん
テラちゃん太陽の光の中の青が、空気にぶつかって散らばるからだよ。それで空一面が青くなるんだ
ソラ
ソラじゃあ空気がなかったら?
テラちゃん
テラちゃん昼でも空は真っ黒。星が見える。ちなみに火星では、夕焼けが青くなるんだよ
ソラ
ソラ星がちがうと夕焼けの色までちがうんだ。火星の青い夕日、いつか人類は見るのかな。
火星の青い夕焼けの写真は、NASAの探査車が本当に撮影しています。検索してみてください。

空気の量を変えると、空の色はどうなる?

① 空の青は「散らばった光」の色

太陽の光にはすべての色が混ざっています。その光が空気の分子(窒素や酸素)にぶつかると、四方八方にはね散らされます——これが散乱です。ポイントは、色によって散らされやすさが違うこと。波長の短い青い光は、波長の長い赤い光よりずっと強く散乱されます(レイリー散乱)。だから昼間、空のあちこちから散らばった青い光が目に届き、空全体が青く見えるのです。青は「空にもともとある色」ではなく、「空気が散らした光の色」なのです。

② 夕焼けが赤いのも、同じ理屈の裏側

夕方、太陽が低くなると、光は大気の中を昼よりずっと長い距離通ってきます。その道中で青い光はすっかり散らされ尽くし、散乱されにくい赤やオレンジだけが目に届く——これが夕焼けです。スライダーで空気を濃くすると、この「散らされ尽くし」が昼間から起こるようになり、太陽は低い位置でなくても赤っぽく、空は白っぽくかすんでいきます。逆に空気を減らすと、散らす相手がいなくなり、空の青はどんどん暗く、深くなっていきます。

③ 空気ゼロなら、昼でも空は真っ黒

スライダーを0にしてみてください。散乱する空気がなければ、太陽のある方向だけがまぶしく、空そのものは昼でも真っ黒です。月面で撮影された写真の空が真っ暗なのは、まさにこれ。しかも星は太陽と同時に見えます。「青い空」は当たり前の風景ではなく、ほどよい厚さの大気を持つ惑星だけの特権なのです。ちなみに高い山や飛行機から空を見ると、通ってくる空気が少ないぶん、空はより濃く、紫がかって見えます。実は太陽光の中で最も散乱されやすいのは紫で、地上に届く前に上空で散らされ尽くしているのです。

④ 火星の夕焼けは、青い

おとなりの火星では、この物語がひっくり返ります。火星の大気はとても薄く、かわりに空に細かい砂ぼこり(ダスト)が漂っています。この粒は空気の分子よりずっと大きいため、光の散らし方のルールが変わり(ミー散乱)、赤い光のほうが散らされやすくなるのです。その結果、火星の昼の空は赤っぽく、そして夕方には——散らされにくい青が残って、青い夕焼けが沈みます。探査車が実際に撮影したその写真は、「空の色は惑星の大気が決める」ことの、何よりの証拠です。

💡 豆知識:大噴火の年は、夕焼けが燃える
1883年のクラカタウ火山の大噴火のあと、ヨーロッパでは数年にわたって異常に赤い夕焼けが続き、画家が何百枚もスケッチに残したと伝えられています。噴火で成層圏まで巻き上げられた微粒子が、散乱をさらに強めたためです。空の色は、大気の「量」だけでなく「中身」にも敏感なセンサー。夕焼けの色が いつもと違う日は、空が地球のどこかの出来事を報せているのかもしれません。なお、このシミュレーターの色はイメージをつかむための簡略表現です。
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📚 出典・参考(ファクトチェック済み)
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