MOSHIMO ZUKAN // FILE 24

⏳ もしも1年の長さが違ったら

1年=365日は、地球が選んだわけではない。太陽との距離が、自動的に決めている——それがケプラーの法則だ。

テラちゃん今日も平常運転だよ〜
1年の長さ
365日
ひとつの季節の長さ
約3か月
似ている惑星
地球
⏳太陽のまわりを回るスピード(上から見たところ)
太陽との距離(いま=1.0)
1.00 倍
👇スライダーをうごかして、じっけんしてみよう
0.3倍(近い)1倍(いま)6倍(遠い)
🔎 1年の長さは太陽との距離が決めるよ。遠いほど道のりが長く、しかも進む速さは遅くなる——二重に長くなるんだ
🎬 テラちゃんげきじょう「1年の長さが違ったら」
ホシ
ホシ1年が365日じゃない星もあるの?
テラちゃん
テラちゃん太陽から遠いほど1年は長いよ。水星は88日、海王星はなんと165年!
ホシ
ホシ165年!? 海王星で生まれたら、一生に一回もお誕生日こないじゃない
テラちゃん
テラちゃんそうなんだ。太陽との距離で1年の長さがピタッと決まる、宇宙のルールなんだよ
ホシ
ホシ誕生日が毎年くるのって、地球の席のおかげだったんだ。ちょっとありがたくなってきた。
海王星は1846年の発見から、2011年にやっと太陽を1周。「1歳」になったばかりの星です。

1年の長さは、どうやって決まっている?

① 1年=365日は、距離が決めた数字

「1年はなぜ365日なのか」——答えは、地球が太陽から1億5000万km(1AU)の距離にいるからです。惑星が太陽を1周する時間(公転周期)は、太陽からの距離だけでほぼ自動的に決まります。これを見つけたのが17世紀のケプラーで、「公転周期の2乗は、距離の3乗に比例する」というケプラーの第3法則として知られています。スライダーで距離を変えると、1年の長さが法則どおりに伸び縮みします。距離1.0で365日になるのは、偶然ではなく必然なのです。

② 遠いほど、二重に長くなる

距離が延びると1年が長くなる理由は2つあります。ひとつは単純に、1周の道のりが長くなるから。もうひとつは、太陽の重力が弱まるぶん、惑星の進む速さそのものが遅くなるから。道は長いのに歩みは遅い——この二重の効果で、距離2倍なら1年は2倍ではなく約2.8倍(2の1.5乗)になります。実際の太陽系でも、水星(距離0.39倍)の1年は約88日、火星(1.52倍)は約687日、そして海王星(約30倍)の1年は約165年。海王星は1846年の発見から、まだ太陽をようやく1周したばかりです。

③ 1年が変わると、季節の長さが変わる

1年が延びて何が変わるかといえば、いちばん身近なのは季節の長さです。四季は地軸の傾きが作るので、1年が687日ある火星では、ひとつの季節がざっと半年近く続きます。春が半年、冬も半年。もし地球の1年が海王星なみに165年だったら、ひとつの季節は約40年——人の一生で、四季をひとめぐり体験できるかどうか、という世界です。「季節がめぐる速さ」は、実は太陽との距離が決めていたのです。

④ ただし、距離を動かせば気温も動く

ここで思い出してほしいのが距離の記事です。1年の長さを変えようとして距離を動かせば、届く日射も同時に変わります。1年を2倍にする距離(約1.6倍)では、地球はもうハビタブルゾーンの外縁ぎりぎり。つまり「365日というちょうどいい1年」と「ちょうどいい気温」は、同じ1つの距離が同時にくれたプレゼントなのです。1年の長さは、地球の住みやすさとワンセットで決まっていました。

💡 豆知識:1年の長さだけは、地球にも変えられない
このサイトでは自転を速めたり大気を厚くしたりしてきましたが、公転周期だけは特別です。惑星自身の性質(大きさ・重さ・大気)を何をどう変えても、太陽からの距離が同じなら1年の長さは変わりません。周期を決めるのは太陽の重力と距離だけ——ケプラーの法則の潔さです。ちなみに「1日」の長さは月との潮汐で少しずつ変わってきましたが(月の記事)、「1年」は太陽系の構造が変わらない限り、ほぼ不動。カレンダーの365日は、太陽系でいちばん頑固な数字かもしれません。
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