惑星のサイズは、重力と空気の運命を決める。小さすぎれば空気は逃げ、大きすぎれば重さに押しつぶされる。
惑星が大きくなると、含まれる物質が増えて重くなり、地表を引っぱる重力も強くなります。同じ材料でできているとすると、直径を2倍にすれば地表の重力もおよそ2倍。逆に小さくすれば重力は弱まります。スライダーで地球の直径を変えると、まず地表の重力の数字が動くのはこのためです。重力は、体重やジャンプ力だけでなく、もっと大事なあるものの運命を握っています。
その「あるもの」とは大気です。惑星の重力は、空気を地表につなぎとめる力でもあります。重力が弱いと、空気の分子がだんだん宇宙へ逃げ出してしまう。これがまさに火星に起きたことです。火星の重力は地球の約0.38倍、質量は約10分の1しかなく、そのため大気を保てず、今では気圧が地球の約1%以下という薄い空気の星になりました。スライダーを小さい側に振ると、地球も同じ運命——薄い大気の寒い星——に近づいていきます。
では大きいほど良いかというと、そうでもありません。地球より大きな岩石惑星はスーパーアースと呼ばれます。大きくなるほど重力が強まり、直径2倍なら体重も2倍相当。生き物にとっては、立つのも歩くのも重労働の世界です。強い重力は分厚い大気を引きとめるので、地表は高い気圧と強い温室効果で高温になりがち。大きければ大きいほど住みやすい、というわけではないのです。
まとめると、惑星は小さすぎれば空気を失って凍え、大きすぎれば重力と分厚い大気に苦しむ。地球のサイズは、空気を宇宙に逃がさずつなぎとめられ、かつ重力で押しつぶされもしない、ちょうど中間のサイズなのです。距離や傾きだけでなく、惑星そのものの「大きさ」もまた、地球の住みやすさを支える設定のひとつでした。