MOSHIMO ZUKAN // FILE 22

🌗 もしも月がもっと大きかったら

太陽は月の400倍大きく、400倍遠い——だから空でぴったり同じ大きさ。この奇跡の一致を、スライダーで崩してみよう。

テラちゃん今日も平常運転だよ〜
日食のタイプ
皆既も金環も
潮の満ち引き
1.0 倍
満月の夜の明るさ
1.0 倍
🌗地球から見た大きさくらべ(日食チェック)
太陽
vs
ほぼ同じ大きさ!
月の大きさ(いま=1.0)
1.00 倍
👇スライダーをうごかして、じっけんしてみよう
0.2倍(小さい)1倍(いま)3倍(大きい)
🔎 太陽は月の約400倍大きくて、約400倍遠い。だから空では同じ大きさに見える——完全な偶然だよ
🎬 テラちゃんげきじょう「月がもっと大きかったら」
ホシ
ホシ皆既日食って、どうして月が太陽をぴったり隠せるの?
テラちゃん
テラちゃん太陽は月より400倍大きいけど、400倍遠い。だから空では同じ大きさに見えるんだ
ホシ
ホシ400倍と400倍がそろってるの!? すごい偶然!
テラちゃん
テラちゃんそう。月が大きすぎても小さすぎても、あの完璧な日食は見られないんだよ
ホシ
ホシ地球は宇宙一ラッキーな日食の特等席なんだね。次の日食、ぜったい見たい。
日本では2035年9月2日に皆既日食が見られる予定。カレンダーに書いておきましょう。

月の大きさを変えると、何が起きる?

① まず知ってほしい、「400倍の偶然」

太陽の直径は約140万kmで、月(約3500km)の約400倍。ところが地球からの距離も、太陽(約1億5000万km)は月(約38万km)の約400倍。大きさの差と距離の差がぴったり打ち消し合って、空に浮かぶ太陽と月はほぼ同じ大きさに見えます。これはただの偶然です。でもこの偶然のおかげで、月が太陽をすっぽり隠す皆既日食と、月からリング状に太陽がはみ出す金環日食の、両方を楽しめる星に私たちは住んでいるのです。

② 大きくすると:皆既日食「だけ」の世界に

スライダーで月を大きくしてみてください。国立天文台の解説にあるとおり、月が今より大きい(または近い)と、日食は皆既のみになります。太陽は毎回完全に隠れ、金環日食のリングは二度と見られません。しかも大きな月は太陽のまわりに広がる淡い大気「コロナ」まで深く覆い隠してしまうため、皆既日食の一番の見どころも減ってしまうかもしれません。さらに、潮汐の記事で見たとおり月の重力の影響も増すので、潮の満ち引きは月の質量(大きさの3乗)に比例して激しくなります。

③ 小さくすると:皆既日食が消える

逆に月を小さくすると、月は太陽を隠しきれなくなり、日食は金環のみに。空が夜のように暗くなる皆既の体験は、地球から失われます。実は月は地球の直径の約4分の1もある、太陽系でも異例に大きな衛星です。もし地球の衛星がありふれた小さなものだったら、皆既日食を知らない文明が育っていたかもしれません。日食は古来、人類が宇宙に興味を持つ大きなきっかけでした。その入り口が、なかった世界です。

④ 実は「今だけ」の風景でもある

もうひとつ大事なことがあります。この400倍の一致は、時間の上でも偶然だということ。月は誕生直後、今よりずっと地球の近くにあり、空には巨大な月がかかっていました。そして今も年に数cmずつ遠ざかっているため、はるか未来には月の見かけが小さくなりすぎて、皆既日食は二度と起こらなくなると考えられています。皆既と金環の両方が見られるのは、長い地球の歴史の中の「特別な時代」。私たちは、ちょうどいい大きさの月を、ちょうどいい時代に見上げているのです。

💡 豆知識:月が2倍明るくても、夜は昼にならない
満月の明るさは月の見かけの面積、つまり大きさの2乗でざっくり増えます。月が2倍の大きさなら、満月の夜は約4倍明るい計算です。それでも太陽の明るさには遠く及びません——満月は太陽の約40万分の1程度の明るさしかないからです。月あかりが増えた世界で困るのは人間より、月の満ち欠けを頼りに行動する夜の生き物たちかもしれません。なお、このシミュレーターは大きさの効果をつかむための概算モデルです。
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📚 出典・参考(ファクトチェック済み)
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