MOSHIMO ZUKAN // FILE 42

🚀 もしも歩いて宇宙まで行けたら

宇宙の入り口は、たったの100km上。まっすぐ上に道があれば、車で1時間。でも月は? 太陽は? 「宇宙の遠さ」を体で測ってみよう。

テラちゃん今日も平常運転だよ〜
歩いて(時速4km)
車で(時速100km)
光なら
🚶宇宙への道のり(距離の縮尺はイメージ)
🌍地球
🛰️宇宙の入り口(100km)
🌙月(38万km)
☀️太陽(1.5億km)
🚶
目的地
宇宙の入り口(高度100km)
👇スライダーをうごかして、じっけんしてみよう
宇宙(100km)太陽
🔎 高度100kmから先が宇宙(カーマン・ライン)。飛行機が飛べなくなる高さを目安に決められた、世界共通の「宇宙の入り口」だよ
🎬 テラちゃんげきじょう「歩いて宇宙まで行けたら」
ソラ
ソラ宇宙ってはるか遠くにあるんでしょ? 何百年もかかりそう
テラちゃん
テラちゃんそれがね、宇宙の入り口は真上に100km。車なら1時間で着いちゃうんだ
ソラ
ソラ1時間!? じゃあ月も近いの?
テラちゃん
テラちゃんううん、月は歩くと11年かかるよ。上は近いけど、横は遠いんだ
ソラ
ソラ宇宙は上に1時間、月は3日、星は光で何年も…「遠さのものさし」、集めたくなってきた。
次のものさしは「光年」。いちばん近い恒星まで、光で4年ちょっとかかります。

目的地を変えると、旅はどうなる?

① 宇宙は、上に100km

「宇宙」は、どこから始まるのでしょうか。空気は上にいくほどうすくなるだけで、はっきりした境目はありません。そこで世界では、高度100kmから先を宇宙とする共通の線が決められています。これがカーマン・ライン。飛行機が翼で飛べるのは、だいたいこの高さまでだからです。100kmといえば、東京から箱根くらいの距離。まっすぐ上に道があれば、車で約1時間、歩いても丸1日で宇宙に着いてしまいます。宇宙は、意外なほどすぐ上にあるのです。

② 月までは、歩いて11年

ところが「上」ではなく「先」を目指すと、話は一変します。月までの距離は約38万4400km——地球を30個ならべた距離です。時速4kmで歩き続けると約11年。小学生が出発したら、着くころには大人です。車でノンストップでも約160日。それをアポロの宇宙船は約3日で駆け抜けました。歩けば11年の道のりを3日で行く——「人類が月に行った」のすごさが、足の速さで測るとよくわかります。

③ 太陽までは、歩いて4300年

次の目的地、太陽まではさらにケタがちがいます。距離は約1億4960万km。歩くと約4300年——縄文時代に出発した人が、まだ着いていない計算です。車で約170年、新幹線でも約57年、ジェット機でさえ約19年かかります。そして宇宙でいちばん速い旅人・光ですら、太陽から地球まで8分19秒。つまり、いま見ている太陽は8分前の姿です。この「地球と太陽の距離」は宇宙のものさし(1天文単位)として使われるほど、基本の長さになっています。

④ そして星へ——ものさしが変わる旅

太陽系の外に目を向けると、もう「km」では書ききれません。太陽にいちばん近い恒星でも、光の速さで4年以上かかる距離。そこで宇宙では、光が1年かけて進む距離「光年」がものさしになります。夜空の星の光は、何年も何百年も前に出発した光。太陽が消えても8分は気づけないという話と同じで、星空とは、じつは「過去の光の展覧会」なのです。歩いて1日の宇宙の入り口から、光でも何年もかかる星々まで——宇宙の遠さは、ものさしを取りかえながら味わうのがコツです。

💡 豆知識:宇宙は「近い」のに、ロケットはなぜ大変?
上に100kmなら車で1時間の距離なのに、ロケット打ち上げが大仕事なのはなぜでしょう。じつは大変なのは「高さ」ではなく「速さ」です。宇宙にとどまって地球を回り続けるには、横方向に秒速約7.9km(時速約2万8000km)という猛スピードが必要で、ロケットの仕事のほとんどはこの加速に使われます。国際宇宙ステーションが落ちてこないのは、高いからではなく、速いから。宇宙の入り口は近くても、「宇宙にいつづける」には、とんでもない全力疾走が必要なのです。
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