MOSHIMO ZUKAN // FILE 41

🕳️ もしも地球のまんなかまで穴をほったら

足もとの地面の下には、6371kmの未知の世界。人類が掘れたのは、たったの12km——想像のエレベーターで、地球のまんなかへ。

テラちゃん今日も平常運転だよ〜
いまいる層
地表
まわりの温度(ざっくり)
15℃
まわりのようす
緑と空
🕳️地球の中のエレベーター(断面・概念図)
地殻(〜約40km)
マントル(〜2900km)
外核(〜5100km)
内核(〜中心6371km)
もぐる深さ
0km(地表)
👇スライダーをうごかして、じっけんしてみよう
地表マントル中心6371km
🔎 深くなるほど熱くなるよ。約12kmのコラ半島の穴でも、底は約200℃だったんだ
🎬 テラちゃんげきじょう「地球のまんなかまで穴をほったら」
ホシ
ホシずーっと下に掘っていったら、ブラジルに出られるんだよね?
テラちゃん
テラちゃんじつは日本の真裏は大西洋のど真ん中。しかも途中に5500℃の鉄のかたまりがあるよ
ホシ
ホシ5500℃!? 人間はどこまで掘れたの?
テラちゃん
テラちゃん世界記録で約12km。中心まで6371kmあるから…まだ0.2%だけなんだ
ホシ
ホシたった0.2%…地球、ほぼ生たまごじゃない。中身、いつか誰かに見てきてほしいな。
正確には半熟(外側の核だけ液体)。地球の中心は、ある意味で宇宙より遠い場所です。

深さを変えると、まわりはどうなる?

① 世界一深い穴でも、まだ皮一枚

「まっすぐ掘ったら、どこに出るんだろう」——だれもが一度は考える穴。人類は本気で挑戦したことがあります。旧ソ連が20年以上かけて掘ったコラ半島超深度掘削坑は、深さ1万2262m。今も破られていない世界記録です。それでも地球の中心までの距離6371kmと比べれば、わずか0.2%。地下の温度が予想を超えて約180℃に達し、機械が耐えられずに計画は中止されました。それより深い世界のことは、地球をつたわる地震の波を聴診器のかわりにして調べています。

② 地球はゆで卵——まずは白身のマントルへ

地球の中身は、たとえるなら、ゆで卵に似ています。うすい殻が地殻(厚さ5〜70km)、たっぷりの白身がマントル(深さ約2900kmまで)、まんなかの黄身がです。マントルは岩石の層で、地球の体積の大部分をしめる主役。固体なのに、何万年という長い時間でみると熱でゆっくり流れていて、この流れがプレートを動かし、山や火山を作る原動力になっています。エレベーターの窓の外は、赤く熱い岩の世界が2900kmぶん続きます。

③ 鉄の海と、鉄の玉——核

深さ2900kmで景色は一変します。ここからは岩ではなく金属、どろどろにとけた鉄とニッケルの海(外核)です。この鉄の海が流れることで電気が生まれ、地球はひとつの大きな磁石になっています。方位磁針が北を指すのも、オーロラが光るのも、じつはこの足もと2900kmの海のおかげ。さらに深さ約5100kmから中心までは、猛烈な圧力で鉄が固まった内核です。中心の温度は約5000〜6000℃——太陽の表面と同じくらいの熱さが、いまこの瞬間も足の下にあります。

④ 飛びこんだら、40分で地球の裏側へ

最後に名物の思考実験を。もし熱にも圧力にも耐えられる貫通トンネルがあって、そこに飛びこんだら——重力にぐんぐん加速され、約19分後、時速2万kmを超えるスピードで無重力の中心を通過。そこからは逆に減速していき、合計約40分(計算のしかたで38〜42分)で反対側の地面にぴたりと到着します。ただし着いた瞬間にどこかにつかまらないと、また落ちて、永遠の往復が始まります。もうひとつ落とし穴を。日本の真裏はブラジルではなく、じつは大西洋のどまんなかです。

💡 豆知識:地球のまんなかは、なぜまだ熱い?
地球が生まれたのは約46億年前。それなのに中心が5000℃を超えているのは、たとえるなら、大きな肉まんと同じです。表面は冷めても、中まではなかなか冷めません。地球誕生のときの熱が巨大な体にとじこめられ、さらに岩石の中の放射性元素が今も少しずつ熱を出し続けているため、地球は46億年たってもまだ冷めきっていないのです。この「残り熱」こそが、火山を動かし、大陸を動かし、磁場を作る地球のエンジンです。
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