同じ足の力でも、星がちがえばジャンプはまるで別もの。月なら6倍、木星なら階段1段分。きみの体で太陽系をめぐってみよう。
月の重力は地球の約6分の1。月の重さが地球の約100分の1、大きさ(半径)が約4分の1しかないためです。重力が小さいと、けり出した体はゆっくりとしか落ちてきません。だから同じ足の力でも、地球で50cm跳べる人は、月では約3m跳べる計算になります。アポロの宇宙飛行士たちが、100kgを超える宇宙服を着たまま軽やかにはねていたのは、このためです。
星が変わると、体重計の数字も変わります。地球で30kgの人は、月では約5kg、火星では約11kg、木星では約76kg。ただし、体そのものが増えたり減ったりしたわけではありません。変わったのは「星が体を引っぱる力」だけです。体をつくる中身の量(質量)はどの星でも同じで、体重計が測っているのは引っぱられる強さのほう。ジャンプ台としての星を取りかえると、この数字だけが変わるのです。
意外な星もあります。木星は地球の約300倍も重い巨大惑星なのに、重力は約2.5倍どまり。半径が11倍もあって、表面が中心から遠いためです。海王星にいたっては、地球の17倍の重さなのに重力は約1.1倍。逆に土星は、水に浮くほど密度が小さいため、重力は地球とほぼ同じです。重力は「重いほど強く、大きい(表面が遠い)ほど弱く」——このバランスで決まります。太陽系のジャンプ台めぐりは、そのまま星のつくりの勉強になるのです。
もし低重力の星でくらしたら、はじめは楽しくても、体には課題が出てきます。宇宙飛行士の研究から、重力が小さい環境が続くと骨や筋肉が弱りやすいことがわかっているからです。反対に木星のような高重力では、立って歩くだけでひと苦労。重力が2倍の地球の記事で見たとおり、重力は強すぎても弱すぎても大変です。50cmのジャンプがちょうど気持ちいい今の地球は、体にとってなかなかの優良物件といえます。