MOSHIMO ZUKAN // FILE 36

❄️ もしも氷河期がやってきたら

全球凍結ほどではない、でも確実に繰り返してきた寒暖のリズム。マンモスが歩き、海が下がって大陸がつながった時代。

テラちゃん今日も平常運転だよ〜
世界の平均気温
約15℃(いま)
氷におおわれた陸
約1割
海面の高さ
いまの高さ
🌊氷期には海面が下がって、陸が広がる
いまの気候海面の高さ
気候(左=いま/右=氷期のピーク)
間氷期(いま)
👇スライダーをうごかして、じっけんしてみよう
いま(間氷期)氷期のピーク
🔎 氷期と間氷期は約10万年の周期で繰り返してきたよ。原因は地球の軌道や地軸のわずかなゆらぎ(ミランコビッチ・サイクル)なんだ
🎬 テラちゃんげきじょう「氷河期がやってきたら」
ホシ
ホシ氷河期って、ある日とつぜんやってくるの?
テラちゃん
テラちゃんゆっくりね。氷の時代とあたたかい時代が、10万年くらいのリズムでくり返してるんだ
ホシ
ホシリズム? だれかが指揮してるの?
テラちゃん
テラちゃん地球のまわる道と傾きの、ちょっとしたゆらぎが指揮者なんだ
ホシ
ホシ地球のゆらぎが氷河期のリズムを刻むって、宇宙の音楽みたい。次の楽章はいつだろう。
氷期には海面が下がり日本は大陸と地続きに。マンモスは歩いて日本へ来たんです。

氷期のピークへ近づけると、何が起きる?

① 全球凍結とは違う、"ほどほどの"氷の時代

「氷河期」と聞くと地球全体が凍りつく全球凍結を思い浮かべるかもしれませんが、ここで扱うのはもっとおだやかな、しかし何度も繰り返してきた氷期です。今の地球は、氷期と氷期の間の暖かい間氷期にあたります。過去100万年ほどの地球は、寒い氷期と暖かい間氷期を、およそ10万年の周期でくり返してきました。スライダーを進めると、地球はこの氷期のピークへ近づいていきます。

② 原因は、地球の軌道の"わずかなゆらぎ"

氷期をもたらすのは、地球の外ではなく、地球自身の動きのわずかな変化です。地球の公転軌道のかたち地軸の傾き、そして地軸が独楽のように首を振る歳差——この3つが、それぞれ約10万年・約4万年・約2.6万年の周期でゆっくり変化しています。これらが重なって、地球の高緯度が夏に受ける日ざしが増えたり減ったりする。この日射のリズムが、氷期と間氷期のスイッチを押しているのです。これを、発見した人の名からミランコビッチ・サイクルと呼びます。

③ 海が下がり、大陸が地続きになる

氷期には、海の水が蒸発して雪となり、陸の上に巨大な氷の板(氷床)として積もります。そのぶん海の水が減るので、海面が下がります。約2万年前の最も寒かった時期(最終氷期極大期)には、世界の平均気温が今より約6℃低く、海面は今より約125mも低かったと考えられています。すると浅い海が陸になり、今は海で隔てられた土地が地続きに。人類やマンモスなどの動物が、大陸から大陸へ歩いて渡れた時代があったのです。スライダーを進めると、海面が下がって陸が広がるのが見えます。

④ 私たちは「暖かい時代」に生きている

大事なのは、氷期は遠い過去の異変ではなく、地球が今も繰り返している自然なリズムの一部だということ。私たちがたまたま暮らしているのは、そのリズムの中の暖かい間氷期です。約1万年前に最後の氷期が終わって温暖な時代になり、そのおかげで農耕がはじまり、今の文明が育ちました。人類の歴史は、氷が退いた"暖かい幕間"に花開いたのです。地球の気候は、長い目で見れば、いつもゆっくりと揺れ動いています。

💡 豆知識:氷期の記録は、氷と泥の中に眠っている
何万年も前の気温を、どうやって知るのでしょう。南極やグリーンランドの氷を深く掘ると、その氷には当時の空気が小さな泡として閉じこめられていて、大昔の大気を直接調べられます。また海底の泥に含まれる微生物の殻を調べると、当時の海の水温がわかります。地球は、自分の歩んできた気候の歴史を、氷と泥の中に日記のように残してくれているのです。ちなみに、この10万年周期がなぜこれほど強く出るのかは「10万年問題」と呼ばれ、実はまだ完全には解けていない謎です。
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