MOSHIMO ZUKAN // FILE 32

🌓 もしも地球が太陽に片面を向けたまま止まったら

片側は永遠の昼で灼熱、反対側は永遠の夜で極寒。でもその境目の「永遠の夕暮れ」に、生命の居場所があるかもしれない。

テラちゃん今日も平常運転だよ〜
昼の面
昼と夜がめぐる
夜の面
昼と夜がめぐる
住めそうな場所
ほぼ全体
潮汐ロックの進みぐあい
0%(いまの地球:自転する)
👇スライダーをうごかして、じっけんしてみよう
0%(自転する)100%(片面を向け固定)
🔎 主星に近すぎると、惑星は同じ面を向けたまま止まる「潮汐ロック」になるよ。月が地球にいつも同じ面を向けているのと同じだよ
🎬 テラちゃんげきじょう「太陽に片面を向けたまま止まったら」
ホシ
ホシ地球の片面がずっと昼で、反対がずっと夜? 夜の国、さむそう…
テラちゃん
テラちゃん昼の面は灼熱、夜の面は極寒。でもその境目には『永遠の夕方』の場所ができるんだ
ホシ
ホシ永遠の夕方! そこだけは住めそう?
テラちゃん
テラちゃんうん、暑すぎず寒すぎずの細い帯。ぎりぎり暮らせるかもしれない場所なんだ
ホシ
ホシずっと夕焼けの国…せつなくて、すてき。宇宙には本当にそんな星があるんだね。
赤色矮星をまわる惑星の多くがこのタイプ。「永遠の夕方」の生命は、大まじめに研究中です。

地球が太陽に片面を向けたまま止まると、何が起きる?

① 昼の面は灼熱、夜の面は極寒

地球が自転をやめ、太陽に同じ面を向けたまま止まったら——太陽の側はいつまでも昼で、日ざしが照りつづける永遠の昼。灼熱の世界です。反対側はいつまでも夜で、太陽の光がまったく届かない永遠の夜。凍りつく極寒の世界になります。ひとつの惑星に、灼熱の地獄と極寒の地獄が背中合わせに広がる。スライダーでロックを進めると、昼の面と夜の面がこの両極端に分かれていきます。

② これは、月ですでに起きている

「片面を向けたまま」なんて起こるの?と思うかもしれませんが、実は身近な月がまさにこの状態です。月は自転周期と公転周期がほぼ同じ約27.3日なので、地球にいつも同じ面(表)を向けていて、私たちは月の裏側を地上から見ることができません。これが潮汐ロック(自転と公転の同期)です。主星に近い天体ほど起こりやすく、赤色矮星のそばを回る惑星の多くも、この状態だと考えられています。

③ 「永遠の夕暮れ」に、生命の居場所?

昼は灼熱、夜は極寒——では生命はまったく住めないのでしょうか。ここに、近年の研究が面白い答えを出しました。昼の面と夜の面のちょうど境目には、太陽がいつも地平線近くに見える「永遠の夕暮れ(ターミネーターゾーン)」という細い帯があります。この帯では、灼熱と極寒がほどよく混ざり合い、水が液体でいられるちょうどよい気温が保たれる可能性があるのです。惑星全体が住めなくても、この夕暮れのリングにだけ生命の居場所がある——そんな世界も考えられています。

④ 自転が、地球に昼と夜を配っている

この記事の裏返しの教訓は、こうです。地球が灼熱にも極寒にも偏らず、どこでも生き物が暮らせるのは、自転して昼と夜を規則正しく配っているから。太陽の熱を全身にまんべんなく浴び、夜のあいだに冷ます。あたりまえの「1日」のくり返しが、実は地球の表面をまるごと居住可能にしている立役者なのです。のおかげで自転が安定していることも、あわせて思い出してみてください。

💡 豆知識:潮汐ロックは「近さ」で決まる
潮汐ロックが起きるかどうかは、主星との距離が大きく効きます。潮汐力は距離が近いほど急激に強まるため、主星のすぐそばを回る惑星ほどロックされやすいのです。太陽から1.5億kmも離れた地球は、太陽に潮汐ロックされる心配はまずありません。皮肉なことに、暗い赤色矮星のまわりでは「水が液体でいられる距離」が主星のすぐ近くになるため、住みやすい距離とロックされやすい距離が重なってしまう。宇宙で生命の住める場所を探すのは、思ったより難しいのです。
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