MOSHIMO ZUKAN // FILE 28

🌋 もしも火山だらけの地球だったら

噴火が増えると、地球はまず寒くなる。でも長い目で見ると、今度は暖まる。火山は冷房と暖房、両方のスイッチを持っている。

テラちゃん今日も平常運転だよ〜
空にただようちり
ふつう
数年後の気温(日傘効果)
安定
数百年後の気温(CO₂)
安定
噴火の多さ(いまの地球=1倍)
1 倍
👇スライダーをうごかして、じっけんしてみよう
0倍(静穏)3倍(火山だらけ)
🔎 噴火のちりは太陽の光をさえぎって地球を冷やすよ。でも火山が出すCO₂は、長い時間をかけて地球を暖めるんだ
🎬 テラちゃんげきじょう「火山だらけの地球だったら」
ホシ
ホシ火山がいっぱいだと、あつくて大変そう
テラちゃん
テラちゃんそれがふしぎでね。噴火が増えると、まず日傘みたいに日ざしをさえぎって寒くなるんだ
ホシ
ホシえっ、あつくなるんじゃなくて、寒くなるの!?
テラちゃん
テラちゃん短い間はね。でも長い目で見ると、出てきたガスで今度はあたたかくなる。両方できるんだ
ホシ
ホシ火山って、冷やすのも温めるのもできるんだ。地球の気温のリモコン、握ってたんだね。
1991年のピナトゥボ山の噴火では、世界の気温が実際に約0.5℃下がりました。

噴火を増やしていくと、何が起きる?

① まず、地球は「冷える」

火山が大噴火すると、噴煙は空の高いところ(成層圏)まで届き、細かいちり(硫酸のエアロゾル)が地球全体に広がります。このちりが太陽の光をさえぎる日傘のように働いて、地表に届く日ざしを減らし、地球を冷やすのです。これは「火山の冬」と呼ばれます。スライダーで噴火を増やすと、まず「数年後の気温」が下がっていくのはこのためです。

② それは実際に起きた——ピナトゥボ噴火

これは理論だけの話ではありません。1991年、フィリピンのピナトゥボ山が20世紀最大級の大噴火を起こしました。噴き上げられたちりは約3週間で地球をぐるりと取り巻き、その影響で1992〜93年の世界の平均気温は約0.4〜0.5℃低下しました。日本でも1993年は記録的な冷夏となり、米が不作になって外国から輸入する事態になりました(「平成の米騒動」)。たった一度の噴火が、地球全体の気温と食卓を動かしたのです。

③ ところが長い目で見ると、今度は「暖まる」

ここが火山の面白いところです。ちりは数年で地上に落ちてしまいますが、火山が同時に吐き出すCO₂(二酸化炭素)は大気に長くとどまります。CO₂は温室効果を持つので、噴火が続けば続くほど、今度はじわじわと地球を暖める方向に効いてきます。つまり火山は、短期的には日傘で冷やし、長期的にはCO₂で暖める——冷房と暖房、両方のスイッチを持っているのです。スライダーの「数年後」と「数百年後」で気温が逆向きに動くのを見比べてみてください。

④ 火山は、地球にとって悪者ではない

噴火は災害ですが、火山は地球の歴史でずっと大切な役割も果たしてきました。全球凍結から地球を救い出したのも火山のCO₂でしたし、火山ガスは大昔の大気や海の水のもとにもなりました。プレートの動きが生む火山は、地球という星が"生きている"証拠でもあります。噴火の火は、こわいけれど、地球のエネルギーそのものなのです。

💡 豆知識:噴火で夕焼けが赤くなる
大きな噴火のあと、世界中で夕焼けがいつもより赤く、美しくなることが知られています。空にただよう火山のちりが夕方の光をより強く散らすためで、有名な絵画の燃えるような夕焼けの空は、遠くの火山噴火が描かせたのではないか、と言われることもあります。空を冷やすちりが、同時に空を彩る絵の具にもなる——火山は、こんなところでも二つの顔を持っているのです。
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